ブラインドテイスティング対策も多い、おすすめの講座。
単発の講座がほとんどなので、気軽に受講できるのが嬉しい。
おすすめの本はその名も「ブラインドテイスティングの教科書」!
飲んだことのない品種に当てはめない
自分の知識の中から、品種を考えるようにしよう。
ソムリエ・ワインエキスパート試験本番ではマニアックな品種(シュナン・ブランとか)を解答してしまう人がいるが、今まで1度も出たことのない品種・生産国の組み合わせは避けたほうが良い。
そもそも飲んだ経験が少ないものを選ばないほうが良い。
「なぜその結論にしたのか」説明できないのなら当たったとしてもたまたまであり、テイスティング力は伸びない。
間違いから学んでいくのが大事
正解はリースリングだったけれど、自分はソーヴィニヨン・ブランだと思ったなど、なぜ間違ったのかを探るのが大切。
自分の下した決断を見直す
酸味は強いと感じていたのに、ゲヴュルツトラミネル(酸は弱い品種)と判断したり、渋みは控えめだと思ったのにネッビオーロ(渋みは強い品種)と判断したり...
大事なポイントを見逃してないか?
常に同じ環境でテイスティングをする
平等に評価ができるように、ワインを一定の時間口に含む、一定の量を口に含むことを意識する。
品種の特徴をおさえる
典型的な産地・品種の特徴を押さえて、基準を作ることが大事。
アルザスのリースリングを基準にしたのなら、オーストラリアのリースリングはアルザスより○○だなと比べて理解しやすくなる。
得意な産地・品種の組み合わせを増やして自分なりの判断基準を構築しよう。
よくある間違いやすい品種を下記にまとめました。
ただ、重要なことなのでこれだけは覚えておいてください。
ソムリエ・ワインエキスパートの試験レベルでは似た品種や産地のワインを見分けるスキルは求められません。(もちろん正解すれば得点できます)
アルコールのボリューム、全体的なコメントの方向性が同じであれば結論(生産国と品種)を間違えても外観・香り・味わい・評価のコメントはほぼ同じになります。
二次試験(テイスティング)は平均点が取れれば合格できる試験ですから、まずは「全体的なワインの方向性が捉えられる」力を身に付けることが重要。
下記はその上での話です。
主要ブドウ品種の特徴
例外もありますが、主要ブドウ品種の特徴をまとめます。
白ブドウ
シャルドネ
主要産地はブルゴーニュですが、世界中で栽培されています。
ブドウ由来のアロマは控えめで、地域の特性(土壌・気候など)、醸造方法により様々なスタイルが造られています。
外観 | 香り | 味わい | 典型的なスタイルのワイン | |
冷涼 | グリーンがかったレモンイエロー | アロマは控えめ(ニュートラル) 柑橘系、白い花の香り、ミネラルのニュアンス | 酸のレベルが高い、果実味は控えめ、すっきりとした味わい | ①シャブリ アルコール度数は12.5%前後、ステンレス発酵・熟成 |
温暖 | 黄色のニュアンスが強い 濃縮感があり、粘性が強い | 香りのボリュームが強い 熟した果実、トロピカルフルーツの香り 木樽の香りがあるものも | 酸は穏やかでまろやかな印象 果実味が豊かでアルコール度数が高め | ②カリフォルニアのシャルドネ アルコール度数13.5%以上、MLF、木樽熟成あり(新樽) |
①シャブリ:冷涼産地の典型的なスタイルのワイン
②カリフォルニアのシャルドネ:温暖産地の典型的なスタイルのワイン
リースリング
主要産地はドイツやアルザスで、一般的に冷涼な地域で上質なワインが造られています。
ぺトロール(重油)香が感じられるものもあります。
辛口からごく甘口まで様々なタイプがあり、酸が豊かで長期熟成タイプも造られています。
外観 | 香り | 味わい | 典型的なスタイルのワイン | |
一般的な特徴 | グリーンがかったレモンイエロー | 柑橘類、青リンゴ、黄色い果実、白い花の香り、ミネラルのニュアンス アロマティックな香り | 酸のレベルが高い、果実味は中程度、すっきりとした味わい | ①ドイツ(ラインガウ) 伝統的のお樽が主流 ミネラル感ある辛口 ②アルザス 大樽かステンレスタンク熟成 ③オーストラリア 嫌気的な醸造 ステンレスタンク |
①ドイツ(ラインガウ):典型的なスタイルのワイン
鋼のように硬い、ミネラル感あふれる辛口
②アルザス:典型的なスタイルのワイン
ドイツに比べるとやや熟したニュアンス、酸が緩め
③オーストラリア:典型的なスタイルのワイン
ライムジュースのような香り、ドイツほどフローラルではない
3つの産地の中では、若いうちからぺトロール香が出ているものに出会うことが多い
ソーヴィニヨン・ブラン
主要産地はボルドー、ロワール、ニュージーランドです。
フレッシュハーブのアロマとフレッシュな酸味が特徴の品種で、辛口でフレッシュな果実味を楽しむワインを造ります。
フレッシュな酸味 | 外観 | 香り | 味わい | 典型的なスタイルのワイン |
ロワール型 さらにロワール型とニュージーランド型に細分化される | グリーンがかったレモンイエロー | 柑橘類、青リンゴ、ハーブ、ネギなど 火打石や石灰、猫のおしっこ(未熟or過度なチオールの香り) | フレッシュな酸味、爽やかな味わい | ①ロワール 果実はグレープフルーツ、レモン、ライム ②ニュージーランド 果実はパッションフルーツ、グァバ、グーズベリー |
ボルドー型 さらにボルドー型とナパ・ヴァレー型に細分化される | グリーンがかったレモンイエロー 黄色のニュアンスが強いこともある | 甘い柑橘(レモネード)、リンゴ、青リンゴ、 トロピカルフルーツ、アスパラガス、ハーブ、樽香あり | 果実味の厚みが増す、 酸味は柔らかい印象に | ①ボルドー 果実はリンゴ、青リンゴ、メロン、甘い柑橘(レモネード、グリーンバナナ) ②ナパ・ヴァレー パイナップル、マンゴー、バナナ |
白ワイン
ソーヴィニヨン・ブラン産地違い
フランス | |
ニュージーランド |
リースリング産地違い
アルコールのボリューム感はほぼ同じくらいで、12-12.5%が多い。
フランスは13%前後もありえる。
試験に出る白品種の中でも特に酸味が強いのが特徴。
産地が違っても酸味は強い。
フランス/ドイツ | ※この2つの産地は見分けられなくてもOK 試験的には甘口ならドイツ、辛口ならフランスにするのが無難 フランスの香りは黄色い果実中心になりやすい |
オーストラリア | 辛口 フランス・ドイツに比べて、色調は淡くなりやすい(もちろん例外もある)、香りは柑橘でもライムジュースっぽい、ペトロール香(ガソリンの香り、ビニールプールのような香り)が上記の産地より顕著に出やすい |
フランスのミュスカデ・日本の甲州・オーストラリアのセミヨン
アルコールのボリューム感等、コメントの方向性が似ているので間違えやすい。
ミュスカデ | フランスの一択。 香りの特徴が少ない。 甲州に比べると酸が強い。アルコール度数は12-12.5%。低価格で余韻が短い。 |
甲州 | 日本の一択。 濃淡が無色に近いくらい淡く、ピンクベージュっぽい色調が見えやすい。 和柑橘、丁子、吟醸香の香り。特徴的な香りを覚えてしまうと甲州は外さなくなる。香りの強弱は控えめ。「濡れた厚紙のような独特の香りがある」と言われて納得したことがある。 ミュスカデに比べると酸が1段階やさしいことが多い。アルコール度数は12%前後。 |
セミヨン | オーストラリアのセミヨン。ハンター・セミヨンと呼ばれる。ブドウを早摘みし酸が強く、アルコールが軽いスタイルが特徴。ウール(羊毛)のような香り。比較的ニュートラル。アルコール度数は11-12%。 |
ゲヴュルツトラミネル、ヴィオニエ、トロンテス
この3つの品種は間違えやすいけれど、明確な違いがある
まずはゲヴュルツトラミネルとヴィオニエは酸が弱い、トロンテスは酸が強いというのを押さえよう
ゲヴュルツトラミネル | 試験的にはアルザスの一択。 グリ品種なので、色調の黄色が濃くなりやすい ライチの香り アルコール度数は13.5~14.0%ほどと高くても、ほのかに残糖を感じることが多い。 酸は弱く、トロッとした質感。苦みを伴う。 |
ヴィオニエ | 温暖産地なので濃淡は濃くなりやすい。 アプリコット、キンモクセイ、ミルクティーの香り アルコール度数は13.5~14.0%ほどと高く、辛口。残糖はない。酸は弱い。苦みを伴う。 1回も出たことないので、選択しない方が無難。 |
トロンテス | ライチの香りは、ゲビュルツトラミネルと似ているが、味わいは違う。 酸味がゲヴュルツトラミネルより強く、辛口。 酸味があることからアルコール度数が高くてもスッキリとした後味。 |
続く
この品種とこの品種の組み合わせは?という質問がありましたら、お問い合わせから気軽にご連絡ください。
赤ワイン
オーストラリアのシラーズとカベルネ・ソーヴィニヨンの違い
オーストラリアのワインに共通するのはユーカリやメントールのスーッとした香りが出やすい。
国が特定できたうえで、この2つの品種を見分けられるかはかなり難しい。
試験的には見分けられなくてOK。
強いて言うならのポイントは下記の通り。
ちなみに、フランスのシラーとオーストラリアのシラーズはキャラクターが違う。
フランスのシラーには黒胡椒、動物的な香りが現れやすく、オーストラリアのシラーズはリキュール的で、濃縮感が強くアルコール度数は14.5%くらいと高い。
豪/シラーズ | 豪/カベルネ・ソーヴィニヨンとアルコール度数、全体的な方向性は同じ。 |
豪/カベルネ・ソーヴィニヨン | 同じくらいのヴィンテージであれば、シラーズよりも渋みが強く、収斂することが多い。 |
ピノ・ノワール、マスカット・ベーリーA、ガメイ
特に、ピノ・ノワールとマスカット・ベーリーAは間違えやすい。
この2つの品種はアルコールのボリュームが同じ位であればコメントはほぼ同じになるので間違えてもOK。
ピノ・ノワール | 試験的には生産国は3択で考える フランス:アルコール度数が12.5~13.0%くらい。一番複雑。紅茶やなめし皮の香りを感じやすい アメリカ:アルコール度数が13.5~14.0%。濃淡が濃いものもある。新樽の香り。熟した感じ。 ニュージーランド:アルコール度数が13.0~13.5%くらい。濃淡が濃いものもある。フレッシュ&フルーティで、果実味が豊か。赤系果実などシンプルな香り。フランスと間違えやすい。 |
マスカット・ベーリー・A | 日本の1択 アルコール度数は12.0~12.5%。 ピノ・ノワールに比べると、甘ったるい香り。いちごキャンディやザラメみたいな感じ。 タンニンはピノ・ノワールよりさらさらしている(渋味が弱い)。 |
ガメイ | フランスの1択 アルコール度数は13.0~13.5%。 ピノ・ノワールに比べると濃淡が濃く、ガーネット寄りであることが多い。 ピノ・ノワールに味わいの構成が似ているが、なんか違うと思ったらガメイかも。 ピノ・ノワールより熟したニュアンスであることが多い。 ただ、過去の出題は少ない。 |
続く
重要:まとめ
ブラインドテイスティングをするときは、まずは新世界か旧世界かを考える。
判断のポイントはアルコールのボリューム感や、新樽の強弱。
上級者向きだけど新樽やアメリカンオークの香りを覚えると産地の特定がしやすくなる。
新樽やアメリカンオークのココナッツのような甘い香りを感じたら、フランスとイタリアではないと判断できる。
ただ旧世界でもスペインのテンプラニーリョではアメリカンオークはありえる。
生産地&品種の特徴を捉えるときのポイントは、典型的なアルコール度数、特徴的な香り、木樽熟成の有無、酸味の強弱、赤ワインはタンニンの強弱を整理しておこう。
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