ソムリエ協会公式HPによると、「2022年からサービス実技はトレーの上で作業をしていただきます。
トレー使用は、テーブルクロス交換(汚れによる)を省くことによる受験者の持ち時間の短縮を図ると共に、より公平な条件での試験実施、ひいては環境保全への留意を目的としております。」とのこと。
トレーの詳細まで公開されていまして、実際に使われるのは下記のトレーです。
練習する時はこちらを意識して練習しましょう。
品名:Cambroノンスリップトレー長角
素材:FRP(繊維強化プラスチック)
サイズ:380mm×515mm(外寸)、345mm×475mm(内寸)
色:タバーンタン(茶)
その他の「トレー使用時の禁止事項」が下記、ソムリエ協会公式HPで確認できます。
ソムリエ 三次試験(サービス実技)ご受験の皆様へ│一般社団法人日本ソムリエ協会 (sommelier.jp)
ポイントとしては…
・サービス実技は、この角トレーの中(内寸内)で全て完結させる
・角トレー右横に「ゲスト」と書かれたグラスマットを用意されるので、そこにゲスト用のグラスを置く
・トレーのふちに、皿やパニエを置いたら減点になる
抜栓&デキャンタージュの対策講座もある。
何度も繰り返し動画閲覧可能なので自宅で納得いくまで練習できる。
下記、公式HPで詳細を確認できます。
ソムリエ協会主催のコンクール常連の講師が担当なので、実技の加点ポイントが分かりメリハリのある実技ができるようになります。
試験当日の持ち物
受験票(受験番号は覚えておきましょう)
ソムリエナイフ
トーション1枚(リトー、布)
ユニフォーム(エプロンなど、CAの方は制服の持ち出し申請が必要らしい)
※ポケットがあったほうがいい。
リトーやソムリエナイフ、キャップシールは入れる場所を決めておくとスムーズです。
制服がデニムにTシャツで、あまりにもカジュアルなので迷う...制服は着物だから動きずらく心配...
という方、一番無難なのは男女ともにブラックスーツです。
もしも迷った時は、ブラックスーツも検討してみてください。
また、本番は安心のために絆創膏を持っていくと良いですよ。
キャップシールを開ける時に指が切れたときに絆創膏があれば大丈夫だから(お守りもかねて)。
普段履かない人が革靴を履いて靴づれすることもありますから。
2024年の三次試験日程・内容
2024年11月18日(月)
12:00~ 会場
12:30~ オリエンテーション
12:40~順次 サービス実技
(最終16:00頃)
※ワインエキスパートに三次試験はありません
※東京会場では集合時間が2~4部制になります
※二次試験で行う「論述試験」は三次試験の審査対象になります
論述試験が上手くいかなかったけど実技でカバーできるというものではありません。「論述試験」「実技試験」それぞれに合格点があり、両方合格点を取らなければなりません。
三次試験の合格率は90%以上です。
※結果発表は12月●日(●)17時以降、協会HPに掲載
※職務経歴書の審査で不合格となった場合、受験資格に該当しないため、通過した試験科目いずれも免除対象となりません。
●受験の流れ●
1 入室したら、試験官の指示に従い、受験番号、氏名を申告
2 試験官からの「始めてください」の合図で実技試験を始めてください。
試験内容はワインの抜栓およびデカンタージュです。
3 サービス実技はテーブル上の角トレー(内寸内)で完結させてください。
4 審査時間は7分間です。7分を超えますと試験は終了です。
5 試験官から「終了です」の合図がありましたら、ワインのボトルをパニエから出し、テーブルに立ててください。
この時点で、ワインのボトルを立てている場合は、そのままで問題ありません。
ボトルをパニエに戻した方はパニエから出してテーブルに立てましょう。
この時にボトルにどのくらいワインが残っているか、全て注いでいるのか試験官は確認している。
6 試験官から指示があるまでグラスのワインにはお手を触れないようにお願い致します。
指示がありましたら、デカンタのワインとグラスに注いだワインをじょうごでボトルに戻してください。
ワインボトルは用意されている紙袋に入れ、お持ちになって退出してください。
※ワインは同じ銘柄であってもボトル差があります。
試験にあたっては、ご自身に割り当てられたワインの実物に即した内容でサービス実技を行ってください。
↓
こちらの意味は...
若いヴィンテージのワインでも滓がある場合もある。
もし滓があれば、0.5~1㎝ワインを残すということ。
↓
実際はどんなワインが来ても0.5~1㎝を残すと決めておくといいですよ。
デキャンタージュの理由を発言する必要はありません。
(周りの受験生は滓が~とか若いからとか言うと思いますが)
「デキャンタージュをさせていただいてよろしいでしょうか。」でOK!
動画で流れを知りましょう
ソムリエ呼称資格認定試験(一次試験から)お申込みした方が視聴できる「ワインのサービス実技」の動画教材があります。
こちらの動画はサイドテーブルやろうそくが登場したり、実際の実技試験と異なる設定もありますが、所作やセリフなど参考になりますので是非ご覧ください。
「ワインのサービス実技」動画教材の中で「赤ワインのデキャンタージュ」は22分55秒からです。
YouTubeで公開されている動画で良いものもありますのでシェアします。
イメージはこんな感じ。
制限時間は7分です。
コルクが折れるとか、大きなトラブルがない限り、時間は充分にありますので焦らなくて大丈夫ですよ。
「田辺由美のWINE SCHOOL」ソムリエ資格試験 三次試験対策講座 サービス実技デモンストレーション – YouTube
【2022年】ソムリエ三次サービス実技試験対策|変更点を確認 – YouTube
準備するもの
赤ワイン(ボトル1本 コルクのもの)※ワイン1本で何回も練習する方法あり
ここ数年は【シャトー・タサン】(フランス・ボルドー産)というワインが本番で使われているそうです。
練習ですからコルクのものなら何でもOK。
本番を意識してホルドータイプのいかり肩ボトルならなおよし。
1本のワインを購入して、何回も練習したい方におススメなのが、こちらの2アイテム!
キャップシール。 お湯を沸かし、その蒸気でキャップを巻きつけてるというひと手間かかりますが、何本もワインを買うよりずいぶん経済的です。
ワインコルク打栓機とコルクがあれば、何回も練習できます。何とも経済的!
AMAZON価格 ¥2,480(掲載当時)
コルクも買えます
デカンタ
試験が終わって不要になったら、花瓶として使えますよ。
ワイン好きあるある。
パニエ
これは買うか迷いますよね…私は100均の箱を使って練習しました。2,000円ほどなので思い切って買うのもありかも。
また本番は会場によっては、取っ手がないタイプのパニエの可能性もありますので、それも心にとめておきましょう。
ライト
小さなライトで、立てられるものなら何でもOKです。
かちっと片手でライトがつくものが良いですね。
練習だから消しゴムとかで代用しても大丈夫です。
ワイングラス2脚 (ホスト用(試験官)・自分用)
国際規格のグラスは2次試験のテイスティング対策としても必要なので6脚セットで早めに購入することをおすすめします。
このグラス、ビールを飲むのにもちょうどいいんですよ♡
紙ナプキン2枚
100円ショップでも購入できますし、練習なのでティッシュでもOK。
お皿2枚
普通のお皿でもOKですが、イメージはこんな感じです。
会場により、陶器の少し大きめのお皿の可能性もあります。
コルクの下と、デキャンタの下に使いましょう。
2022年実技試験から、お皿の使用は2枚になりました。
コルク用に1枚、デカンタ用に1枚、ボトルはパニエに戻すか、大きめのお皿であれば、コルクとボトルを1枚の皿に置き、もう1枚の皿にデカンタを置いてもいいでしょう。
サービストレイ
ご自宅にあるお盆でOKです。
イメージとしては本番はこのようなトレイが用意されているようです。
トーション(リトー)
赤ワインで汚れるとなかなか落ちませんので、練習ではタオルでも大丈夫です。
念のため3枚ほど用意しておきたいですね。
色は何色でもOKだけど白が無難。
ソムリエナイフ
高級なものでなくても大丈夫です。
むしろ有名なラギオールは使いずらいので絶対にやめたほうがいいです。
使い慣れているなら話は別ですが...
ダブルアクション(ひっかけるところが二か所ついている)がおすすめです。
特にこちらのスペインのメーカープルテックス社のソムリエナイフ「プルタップス」は失敗しようがないソムリエナイフです。
お値段は安いですが、世界最優秀ソムリエ大会に出場するソムリエにも愛用者が多く「使いやすい」と人気です。
安心のために私は本番は2本持っていきました。
合格したらラギオールの高級なのを買おう♪とか決めておくと頑張れるかもしれません。
実技の流れとセリフ
入室して、指定されたテーブルにつくと試験官から試験内容の指示がありますので、よく聞きましょう。
・サービスするワインの銘柄・ヴィンテージについて(例:シャトー・タサン2021)
・リンスの有無(例年、リンスはなし)
・小皿は2枚使用
理由は言わず「デカンタージュをさせていただきます」または「デカンタージュをさせていただいてよろしいでしょうか」だけでOK。ワインは0.5~1㎝残します。
若いワインをデカタージュする理由
「こちらのワイン、より一層美味しくお召し上がりいただくためにデカンタージュをさせていただきます」(実際は理由は言わなくてもOK)
↓
滓がないなら、ワインをボトルに残さない!
滓があるワインをデカタージュする理由
「こちらのワイン、少々滓がございますので、より一層美味しくお召し上がりいただくためにデカンタージュをさせていただきます」(実際は理由は言わなくてもOK)
↓
ワインを残す量はボトルの底から0.5~1㎝が目安。(残しすぎない事!!)
迷ったら、残ってるか残っていないかくらいの0.5~1㎝残すのが無難
オーダーを受けての返事
「はい。かしこまりました。」
余計なことは言わない。
道具置き場は込み合うのでとにかく早く動き出しましょう!
パニエとワインを取りに行く
まずはパニエを手に取り、ワインの所へ。
ワインを揺らさないように、パニエでワインを迎えに行く感じで、優しく丁寧に!
ワインは横にした状態で移動させましょう。
プレゼンテーション(余計なことは言わないパターン)
「ご注文いただきました、〇〇年のシャトー・〇〇でございます。デカンタージュをさせていただきます。」
もしも試験官が指定した銘柄を忘れてしまったり、ラベルが読めない場合は「○○年のフランスの赤ワイン」などと言ってもOK。
試験官が無言で反応がなくても、次の行動に進む。
道具を取りに行く(サービストレイにのせるもの)
ライト(点灯するかチェック)
皿2枚(コルク用の皿1枚、デキャンタの下用の皿1枚)
紙ナプキン2枚以上(最低2枚あればOK)
デカンター (ちょっと大げさに汚れを確認)
グラス2脚(お客様用1脚、ソムリエ用1脚、ちょっと大げさに汚れを確認)
よくある質問ですが、デカンターやグラスの汚れチェックをする際に、臭いチェックはしません。
昔は必ず臭いチェックをするとワインスクールが教えていましたが、今はしません。
昔合格した人はそのように教えるかもしれませんが、デカンターやグラスの臭いチェックはしなくてOKです。
ソムリエ試験に一次からお申し込みしている方が見れる実技動画でも、臭いチェックはしていません。
トレイからサイドテーブル(自分のスペース)に道具を配置
やりやすいポジションに配置しましょう。
この時にライトもON!
抜栓(キャップシールを外す)
外したキャップシールはエプロンのポケットなどにしまいましょう。
抜栓(1回目:瓶口を紙ナプキンで拭く)
使った紙ナプキンはエプロンのポケットなどにしまいましょう。
抜栓(コルクスクリューを差し込む)
スクリューひと巻き分残して引き上げる。
残りひと巻きスクリューを差し込んでコルクを引き抜く。
抜栓(コルクの香りを確認する)
「コルクは健全な状態でございます。」
抜栓(2回目:瓶口を紙ナプキンで拭く)
使った紙ナプキンはエプロンのポケットなどにしまいましょう。
ソムリエテイスティング
「お味見をさせていただきます。」
パニエに入れたままのワインボトルからテイスティンググラスに注ぐ(お客さまのワインですから注ぎすぎない)
外観・香りをチェック
~リンスをする場合~
ここ数年はデカンターのリンスはありませんが念のため練習はしておきましょう。
グラスのワインをデカンターに移す→リンス→グラスに戻す
味わいをチェック
「ワインは大変すばらしい状態でございます」
デカンタージュ
パニエから角度を変えずにそっとワインを取り出す。
ワインボトルの肩がライトに当たるように保ちながら、デカンターにワインを注ぐ。
この時一定の速度で注ぎましょう。
若いワイン、澱がないワインは注ぎ切ってOKですが、
試験的に0.5~1㎝残すのが無難。
コルクを提示
「コルクでございます」といって試験官のそばへ置く。
ホストテイスティング
ホスト用のグラスにワインを少し注ぐ。
「お味の確認をお願いします。」
確認してくれたつもりで、注ぎ足す。
ニッコリ笑顔で「それでは、ごゆっくりお楽しみください。」
片付け
「コルクをおさげしてもよろしいでしょうか」
サービストレイでコルクを下げる。
ワインとデカンターはお客様側に置く(トレーの上なので、お客様側に向ける)。
その他片付け。
実技終了の宣言
「終了しました。」
練習しましょう
所要時間は6分のつもりで練習(実際は7分)しておくと、本番は焦らずにパフォーマンスできます。
必ず時間を計りながら練習しましょう。
可能であれば、撮影して見直すと良いですよ。
誰かに撮影してもらわなくてもスマホ三脚がありますので、このようなものを使うと良いですよ。
100円ショップにも三脚はあります。
東京のような受験生の多い会場では、道具を取る際の順番待ちで30秒~1分ほど時間をロスしたと言う報告がある。
「譲り合い」も必要だが、時間オーバーしないよう注意しよう。
そのためにも、試験が始まり他の受験生が「かしこまりました、シャトー○○でございますね...」などと言っている時に「かしこまりました」の一言で、ワインを取りに行ったほうが良い。
ちなみに、道具を取りに行った際の時間ロスが原因で試験時間がオーバーした受験生は合格しています。
心がける事
感じの良さ
清潔感
笑顔
堂々と
周りの受験生への配慮
※配慮し過ぎて、ぎりぎりに終わったという方もいらっしゃいますので、ほどほどに。
少々何かを忘れても不合格になることはありません。
ワインの抜栓ができて、デカンタージュができれば問題なしです。
実技は落とすための試験ではないのですよ。
こぼしても失敗しても口角を上げて、最後まで堂々と振舞いましょう。
大丈夫、緊張しているのはあなただけではありません。
一生懸命、試験官をお客さまだと思って、このワインを楽しんでもらいたいという思いを持ち続ければ必ず成功するし、合格できますから!
ソムリエバッチを付けたあなたに、サービスをされたい人が必ずいますから頑張って!!!
よくある質問
コルクが折れたらどうすればいい?
結論から言うと、何が何でも抜栓しなければいけません。
折れてしまった時の対処法として上記の動画を見ておくと安心でしょう。
また、コルクが折れたから即失格にはなりませんのでご安心ください。
かなり焦ると思いますが、何事もなかったかのように落ち着いて続ければ大丈夫です。
試験の共有事項
ここ数年同じ銘柄です。
2022年は「CHATEAU TASSIN(シャトー・タサン)」でした。
輸入者は株式会社サンティール。
1,300円くらいのワインです。
・2022年はコロナ禍での試験ということでマスクは常時着用でした。
「サービスで着脱が必要な場合は一時的にずらしてください。
それによる審査項目、求められる動作、サービスなどの変更、省略はありません」とご案内に記載がありました。
よく、ソムリエテイスティングの時に、マスクを耳から外すか、顎にかけるかどちらが良いかと聞かれますが、ご案内にあるように「一時的にずらす=顎にかける」のが自然だし無難かと思います。
ソムリエ取得
抜栓&デキャンタージュの対策講座がおすすめです。
地方在住で、独学のため不安だったので受講しましたが、大正解!
当日まで繰り返し視聴し、自宅で納得いくまで練習しました。
下記、公式HPで詳細を確認できます。
ソムリエ協会主催のコンクール常連の講師が担当なので、実技の加点ポイントが分かりメリハリのある実技ができるようになります。
コメント
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