“産地で学ぶ”ワイン理論シリーズ|Vol.6 ボルドーのアペラシオンとワイン法

セオリー
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※本記事は、構成や文案作成の際にAI(ChatGPT)を活用しています。

ボルドーのアペラシオンとワイン法の要点まとめ

ボルドー全体の基本規則

  • ボルドーには 65のアペラシオン がある。
  • 多くのアペラシオンでは 使用可能なブドウ品種は指定されているが、品種比率までは指定されていない
    • 例:ポイヤックAOCもポムロールAOCも同じ6品種(カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、マルベック、メルロ、プティ・ヴェルド)を使用可能。
    • 実際には、ポイヤックではカベルネ・ソーヴィニヨン主体、ポムロールではメルロ主体と伝統的な植え分けがある。

ボルドー AOC & ボルドー・シュペリュール AOC

  • 対象: ボルドー全域のスティルワイン(赤・ロゼ・白)。
  • 最大収量:
    • 白 67 hL/ha、ロゼ 62 hL/ha、赤 60 hL/ha
    • シュペリュールは赤のみで 59 hL/ha、熟成とアルコール度数もやや厳格。
  • 全ボルドー生産量の44%を占める
  • 特徴:
    • 赤はメルロ主体で、中程度の果実味、酸は高め、タンニン中〜中強、ボディとアルコールは中程度。
    • 白はソーヴィニヨン・ブラン比率増加、グーズベリーやレモンの香り、高い酸。
    • 品質:可〜良好、価格:手頃〜中価格帯。

左岸(レフトバンク)の赤ワイン主要AOC

▶ メドックAOC & オー・メドックAOC

  • 場所: ジロンド川左岸、ボルドー市北部。
  • 赤ワインのみ、収量上限 55 hL/ha。
  • メドックAOC(北部)はメルロ 55%、カベルネ・ソーヴィニヨン 40%。
  • オー・メドックAOC(ボルドー市寄り)は高品質な個別村AOCを含む。
  • 一般にボルドーAOCより果実味がやや濃い。

▶ オー・メドック内の4大村AOC

AOC特徴
サンテステフ左岸最北&最も冷涼。メルロ43%で割合高め。粘土質が多く、力強く野性的で長期熟成型だが、温暖な砂利土壌では柔らかめのものも。
ポイヤックカベルネ・ソーヴィニヨン比率 63%(トップシャトーは70-80%)。骨格が強く、タンニンと酸が高めで長熟型。5大シャトーのうち3つを持つ。
サンジュリアンカベルネ・ソーヴィニヨン主体、均質な砂利土壌。ポイヤックの力強さとマルゴーのエレガンスの中間的。第一級は無いが第二級が豊富。
マルゴーカベルネ・ソーヴィニヨン主体だがメルロ比率がやや高め。石の多い砂利土壌。南寄りのため熟期がやや早い(ポイヤックより数日早い)。香り高く、シルキーなタンニンが特徴。
  • 収量上限: 57 hL/ha
  • 品質: 非常に良好〜卓越、価格帯:プレミアム〜スーパープレミアム。

▶ リストラック・メドックAOC & ムーリスAOC

  • 場所: 4大村より河から離れている。
  • 特徴: 河の影響が少なく、土壌の砂利も少ない。解禁はやや早め可能。品質は良好〜とても良好、価格は中価格〜プレミアム。

規制ポイントまとめ

  • 多くのAOCでは品種の比率指定なし。
  • 伝統的に左岸はカベルネ・ソーヴィニヨン主体、右岸はメルロ主体。
  • 上級AOCほど収量制限が厳しく、品質が高い。
  • 大部分のボルドーワインは手頃〜中価格帯だが、村名AOCなどのトップは世界的に高価格。

Graves(グラーヴ)地域のAOC

Graves AOC

  • ボルドー市から南に広がる大きなAOC。
  • 赤・白両方OK(赤が85%)。
  • 最大収量:赤 55 hL/ha、白 58 hL/ha。
  • 品質:可〜良好、価格:手頃〜中価格帯。
  • Graves Supérieures AOC は遅摘みまたは貴腐の甘口専用(Sauternesより収量は多い40 hL/ha)。

Pessac-Léognan AOC

  • Graves内の高品質エリア、ボルドー市南部の郊外を含む。
  • 砂利土壌とガロンヌ川の影響で、メドック上位村と似た条件。
  • 赤白ともに高品質(赤80%、白20%)。
  • 1855年の格付け1級が1つ、Graves格付けの全てのシャトーを含む。
  • 白:ソーヴィニヨン・ブラン+セミヨン主体、樽発酵・樽熟成が多い。グーズベリー、レモン、グレープフルーツ、バニラ、クローブの香り、ボディ中強〜高め、酸中強〜高め、アルコール中〜高め。
  • 赤:4大村と同等のスタイル・価格。
  • 最大収量:赤白ともに 54 hL/ha。

Entre-Deux-Mers(アントル・ドゥ・メール)AOC

  • ボルドーAOCに次ぐ面積だが、白ワインのみを生産。
    • 赤は生産できるが、ラベルはBordeauxまたはBordeaux Supérieurで表記。
  • 最大収量:65 hL/ha → 軽めの風味のものが多い。
  • 品質:可〜良好、価格:手頃〜中価格帯。

右岸(ライトバンク)の赤ワインAOC

Saint-Émilion & Saint-Émilion Grand Cru AOC

  • 同じエリア、赤ワイン専用。
  • グランクリュは収量低め(46 hL/ha vs 通常53 hL/ha)、熟成期間も長め(20ヶ月 vs 6ヶ月)。
  • メルロ主体(77%)、次いでカベルネ・フラン。
  • ピュアで果実濃度が高く、酸・タンニンも高めで長期熟成向き。上位は1855年の第一級並みの評価。

サンテミリオン衛星AOC

  • サンテミリオンの周辺4つのAOC(例:モンターニュ、リュサック)。
  • サンテミリオンとほぼ同じルール、似たスタイル。

Pomerol AOC

  • 小さいが超高評価な赤ワインAOC。
  • メルロ主体(80%)、次にカベルネ・フラン。
  • 格付けはないが、ペトリュスなど世界最高価格級の生産者あり(小規模ゆえに生産量少なく高価格)。
  • サンテミリオン上位と似た味わい。

Lalande-de-Pomerol AOC

  • Pomerolの衛星的存在。
  • 収量はPomerolよりやや高め。

Côtes de Bordeaux AOC

  • 2009年に新設された右岸AOCの総称。
  • 赤白両方OK。
  • 地域名を前に付けて呼ぶ(例:ブライ・コート・ド・ボルドー、カディヤック、カスティヨン、フランス)。
  • 赤の最大収量:55 hL/ha(地域名付けると52 hL/ha)。

Côtes de Bourg AOC

  • コート・ド・ボルドー傘下ではないが似た位置付け。
  • メルロ主体、マルベック比率がボルドーで最も高い(10%)。
  • スタイルはメドックAOCに近い。

甘口ワイン AOC

Sauternes AOC & Barsac AOC

  • グラーヴ南部の代表的な貴腐ワイン産地。
  • 主にセミヨン(80%)、ソーヴィニヨン・ブラン、ムスカデル少量。
  • 貴腐適地:冷たいシロン川+温かいガロンヌ川 → 朝霧→昼に乾燥。
  • 最大収量:25 hL/ha(実際はもっと低くする必要あり)。
  • 香り:柑橘ピール、ハチミツ、トロピカルフルーツ、バニラ。
  • フルボディ、高アルコール、酸中〜中強、甘口。
  • 品質:非常に良好〜卓越、価格:中価格〜超プレミアム。
  • 需要減少により、多くの生産者が辛口ワインも造るようになっている。

その他の甘口 AOC

  • 両岸で生産あり:
    • サント・クロワ・デュ・モン AOC、ルーピアック AOC(最大収量40 hL/ha)
    • プルミエール・コート・ド・ボルドー AOC(最大収量45 hL/ha)
  • 貴腐または遅摘みで造る。
  • 品質:良好〜とても良好、価格:手頃〜中価格帯。
ピノコ
ピノコ

グラーヴ系 → 赤白両方で、ペサック・レオニャンは特に高品質。
アントル・ドゥ・メール → 白専用、軽めで手頃。
右岸 → 小規模・メルロ主体、高品質はサンテミリオン&ポムロール。
甘口 → ソーテルヌ&バルサックが最高峰、他にもコスパ良いAOCあり。

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