“産地で学ぶ”ワイン理論シリーズ|Vol.3 ボルドーのブドウ品種

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【黒ブドウ品種】

メルロ(Merlot)

  • 芽吹きが早く霜に弱い/中程度の早さで成熟 → 秋の雨の前に収穫できる利点
  • 病気に弱い:クルール(花振るい)、干ばつ、ボトリティス(灰色カビ)
  • 栽培場所:冷涼で粘土質土壌の右岸や北部メドックに多い(粘土が水分を保持し果粒が大きくなる)
  • ワインの特徴
    • 中〜高アルコール
    • 中程度のタンニン
    • 果実味豊か(冷涼年:イチゴ・赤プラム+青さ/暑い年:煮たブラックベリー・黒プラム)

カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)

  • 芽吹き遅く霜に強い/熟すのも遅い → 温暖で水はけの良い土壌(例:メドックの砂利質)に適す
  • 病害:うどんこ病や幹の病気(ユタイパ、エスカ)に弱い
  • ワインの特徴
    • 高タンニン・高酸・中程度のアルコール
    • 黒系果実(カシス、ブラックチェリー)やスミレ、メントール、青っぽさ
    • 完熟しにくい年は酸が強く、タンニンが未熟で果実味も少ない

カベルネ・フラン(Cabernet Franc)

  • ワインの特徴
    • 赤系果実
    • 高酸・中程度のタンニン
    • ボルドーブレンドに爽やかさと香りを与える

マルベック(Malbec)

  • 1956年の霜で多くが壊滅 → 栽培が困難で、現在は少量のみ使用
  • 主にメルロに置き換えられた

プティ・ヴェルド(Petit Verdot)

  • 非常に遅熟・霜に弱い・収穫期の雨に弱い
  • 栽培場所:暖かいメドック地区で良好
  • ブレンドへの貢献
    • 濃い色
    • スパイス香
    • 高タンニン
    • 少量(5%未満)使用されることが多い
    • 温暖化により重要性が増している

【白ブドウ品種】

セミヨン(Sémillon)

  • 中程度の熟期/ボトリティスにも貴腐にもかかりやすい
  • 収量多め/酸は中〜中+程度
  • ワインの特徴
    • ドライワイン:リンゴ、レモン、青草(未熟時)/ミディアムボディ/樽と好相性(ヴァニラ、スパイス)
    • 甘口ワイン(貴腐)では:ハチミツ、ドライレモン、ピーチ、ワックスのような質感
    • 熟成でトーストやハニーの香りが進化しやすい(長期熟成向き)

ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)

  • 高酸、青々とした草やグーズベリーの香りが特徴
  • ドライ白や貴腐ワイン両方に使われる
  • 世界的に人気があるため、単一品種ワインの生産も増加中

ミュスカデル(Muscadelle)

  • 病害(特にボトリティス)に非常に弱い/良く日照された畑が必要
  • 貴腐ワインに少量使用され、フローラルでマスカットのような香りを加える
  • ※マスカット(Muscat)とは無関係
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