【黒ブドウ品種】
メルロ(Merlot)
- 芽吹きが早く霜に弱い/中程度の早さで成熟 → 秋の雨の前に収穫できる利点
- 病気に弱い:クルール(花振るい)、干ばつ、ボトリティス(灰色カビ)
- 栽培場所:冷涼で粘土質土壌の右岸や北部メドックに多い(粘土が水分を保持し果粒が大きくなる)
- ワインの特徴:
- 中〜高アルコール
- 中程度のタンニン
- 果実味豊か(冷涼年:イチゴ・赤プラム+青さ/暑い年:煮たブラックベリー・黒プラム)
カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
- 芽吹き遅く霜に強い/熟すのも遅い → 温暖で水はけの良い土壌(例:メドックの砂利質)に適す
- 病害:うどんこ病や幹の病気(ユタイパ、エスカ)に弱い
- ワインの特徴:
- 高タンニン・高酸・中程度のアルコール
- 黒系果実(カシス、ブラックチェリー)やスミレ、メントール、青っぽさ
- 完熟しにくい年は酸が強く、タンニンが未熟で果実味も少ない
カベルネ・フラン(Cabernet Franc)
- ワインの特徴:
- 赤系果実
- 高酸・中程度のタンニン
- ボルドーブレンドに爽やかさと香りを与える
マルベック(Malbec)
- 1956年の霜で多くが壊滅 → 栽培が困難で、現在は少量のみ使用
- 主にメルロに置き換えられた
プティ・ヴェルド(Petit Verdot)
- 非常に遅熟・霜に弱い・収穫期の雨に弱い
- 栽培場所:暖かいメドック地区で良好
- ブレンドへの貢献:
- 濃い色
- スパイス香
- 高タンニン
- 少量(5%未満)使用されることが多い
- 温暖化により重要性が増している
【白ブドウ品種】
セミヨン(Sémillon)
- 中程度の熟期/ボトリティスにも貴腐にもかかりやすい
- 収量多め/酸は中〜中+程度
- ワインの特徴:
- ドライワイン:リンゴ、レモン、青草(未熟時)/ミディアムボディ/樽と好相性(ヴァニラ、スパイス)
- 甘口ワイン(貴腐)では:ハチミツ、ドライレモン、ピーチ、ワックスのような質感
- 熟成でトーストやハニーの香りが進化しやすい(長期熟成向き)
ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
- 高酸、青々とした草やグーズベリーの香りが特徴
- ドライ白や貴腐ワイン両方に使われる
- 世界的に人気があるため、単一品種ワインの生産も増加中
ミュスカデル(Muscadelle)
- 病害(特にボトリティス)に非常に弱い/良く日照された畑が必要
- 貴腐ワインに少量使用され、フローラルでマスカットのような香りを加える
- ※マスカット(Muscat)とは無関係